日本上陸を果たしたシャオミ・総合家電メーカーへの道のり

中国・北京に本社を置くXiomi(小米科技・シャオミ)は、2010年の設立からわずか8年で世界シェア4位という超ハイスピードで成長を遂げたメーカーです。

2011年8月に同社初のスマートフォン「MI One」を引っさげスマホ業界に殴り込みをかけました。シャオミの特徴はハイエンド機器ながらも低価格路線を邁進したことです。お洒落なイメージも功を奏し多くの若者の心を掴みました。エレガントさやミニマリズムを追求した製品をリリースするシャオミは「中国のアップル」と称されるようになりました。

今ではシャオミは世界74カ国、15,000人の従業員、約3億人のユーザーを持つスマートフォンメーカーであり、インドにおいてはサムスンを抜きシェアトップです。

今回は、そんなシャオミがどのような会社なのか、シンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。



シャオミ設立

シャオミは、2010年 小米科技(Beijing Xiomi Technology Co.,Ltd)として中国・北京で設立された会社です。創業者は雷軍(Lei Jun)

「小米」は中国語で「雑穀の一種」という意味であり、発音はそのまま「シャオミ」となります。ロゴとなる「Mi」はMobile Internetの頭文字に由来。

ちなみにこのロゴを反対にすると心になることはあまり知られてはいません。

日本では見ない?ウサギのキャラクター


シャオミに微妙に古い公式キャラクターがいるのもあまり知られてはいません。名前は「米兎(ミィトゥ)ちゃん」。赤いスカーフがトレードマークです。

スマホスタンドやぬいぐるみなど様々なグッズも販売されているようです。ケロロ軍曹に出てきそうななんとも愛らしいキャラクターですね。

2011年発売のスマートフォン「Mi-ONE」


シャオミ初のスマートフォンは2011年発売の「Mi-ONE」です。

ハイエンドスマートフォンながらも価格は日本円で約24,000円に抑えたことで話題になりました。

[Mi-ONE]
Androidベース、CPUにはQualcomn Dual-core 1.5GHz、RAM 1GB、ディスプレイは4インチのTFT液晶(マルチタッチ静電容量式)カメラは8MP、GPS、加速度センサー付き。iPhoneの性能には及ばないものの当時はこれだけあれば申し分ないスペックでした。オンライン販売が開始された15分後には15万台を売り上げ、好調な滑り出しで事業を軌道に乗せた記念すべき製品。

成長企業から一転、低迷の時代へ

2014年あたりまでは非常に好調だった同社ですが、新興メーカーとして勢いのあった流れから一転、暗雲が漂い始めてきました。

2011年に初のスマートフォン「Mi-ONE」を発売、それ以降Mi-ONE2、Mi-ONE3、Mi-ONE4と製品リリースを行ってきましたが、これまでとは打って変わって成長が鈍化。

中国国内では目標としていた1億台の販売台数に到達しなく、結果は7000万台。アジアやヨーロッパなど中国外市場への展開も軌道に乗せることができず、ファーウェイやOPPO、Vivoなどが競合他社が高品質な端末を低価格でリリースしていたことも低調になった理由の一つです。

2018年にはスマートフォン世界シェア4位へ

数年間の低迷の時代を超え、2018年にはスマートフォン世界シェア4位まで立て直すことに成功。好調なインド市場、ヨーロッパ各国市場へ進出するなど年々中国以外の売り上げ比率が増してきた結果です。

ただ、シャオミの中国市場におけるシェアは第4位となり。これはファーウェイ、Vivo、Oppoに次ぐ順位です。シャオミの中国国内での売り上げが他メーカーに比べ低調であることを示しています。

[2018年のスマートフォンの世界シェア]
1位 サムスン 20.8%
2位 アップル 14.9%
3位 ファーウェイ 14.7%
4位 シャオミ 8.7%
5位 オッポ 8.1%
その他 32.9%
全メーカーの出荷は14億490万台
※IDCより

インドではトップシェアを誇る

中国メーカーの存在感が強まるインド市場。これまでサムスンがトップブランドでしたが、今ではシャオミがシェア1位となり、VivoやOppoなど他の中国メーカーも勢いを増してきています。2018年のインドでの端末販売数は3億3,300万台、これは中国に次ぐ大きな市場となっています。

中国市場が鈍化する一方、スマートフォンの出荷数が伸びつつけているインド市場はシャオミにとって非常に大きなビジネスチャンスです。

[2019年Q2 インドでのシェア]
1位 シャオミ 28.3%
2位 サムスン 25.3%
3位 Vivo 15.1%
4位 Oppo 9.7%
5位 RealMe 7.7%
その他 13.9%
※IDCより



1日で200万台はギネス記録更新


2015年4月、5周年を記念したスペシャルプロモーションのなか、シャオミは自社のオンラインストア「Mi.com」において1日で211万台の売り上げを記録。3億3500万ドルを稼ぎ出しました。「単一のオンライン・プラットフォームにおける24時間以内の携帯電話販売数の最多記録」として認定。


2018年10月29日、インドにおいて同社の実店舗「小米之家(Mi Store)」500店舗以上を”同時”にオープンしたことがギネス認定。また2019年後半には5000店舗以上のMi Storeをオープンする目標を持つ。都心部だけでなく郊外にも多くの店舗をオープン。この大規模なMi Storeプロジェクトにおいて15,000以上の多くの雇用を生み出しています。

総合家電メーカーへの変貌

シャオミは早くからスマートフォン以外の製品開発を行ってきた企業です。中国にある小米之家(Mi Store)では空気清浄機やLED照明機器、ウェブカメラ、VRヘッドセット、ヘッドホン、AIスピーカー、スマートウォッチ、電動歯ブラシ、枕まで様々なものが揃っています。

最近では、家電製品に力を入れており「シャオミは大型家電を今後10年続く発展計画の重要なピースのひとつとする」とCEO雷軍(Lei Jun)は語っています。スマートフォンでの成功を家電製品で再現しようとする試みです。

シャオミの製品は、日本市場へも入ってきています。2019年発売のスマート体組成計もその一つです。スマートフォン同様に洗練されたデザインは健在。基本機能は高く、スマートフォンやスマートウォッチとの連携機能も強化された製品となっています。

ウェアラブル分野でも存在感を見せる

調査会社IDC社によると2019年第一四半期のウェアラブル端末の世界シェアはアップルが堂々のトップ。続いて中国メーカーであるシャオミとファーウェイ が続きます。全体の出荷台数では前年同期比で55.2%増の4,958万台。

シャオミのヒット商品は、Mi Band。これはリストバンド式のスマートウォッチで、スマートフォンの通話やメールやLINEなどの通知を受けたり、日々の歩数管理、心拍数や睡眠などライフログを記録、GPS機能によるランニングやジョギングデータの取得することができます。一部の機種は電子決済機能も付いています。

これだけの機能が搭載されていて、日本円にして3000円程度。これがヒットしない訳はありません。日本でもAmazonや家電量販店などで購入でき、利用者による評価も非常に高い製品です。

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