アメリカは脱退し中国が乗っ取り?WHOをとりまく今後の行方は?

2020年3月、アメリカのトランプ大統領は、中国の初動対応をこう批判しました。

「新型コロナウイルスは中国国内で封じ込められたはずだ」

「テドロス事務局長が中国を擁護している」や「WHOは中国に偏っている」と言われる一方で、WHOのテドロス事務局長は「中国側はオープンかつ透明性のある情報開示をしている。」と中国を称賛。

中国への配慮を優先し「遅すぎたパンデミック宣言」が感染拡大を広めたとして、WHOは対応に失敗したと強い批判にさらされました。



エチオピアへの投資


これほどまでWHO(世界保健機関)が中国寄りとされている理由は、中国とエチオピアの関係によるものと言われています。

国連貿易開発会議によるとエチオピアへの投資流入額の60%は中国により行われています。経済発展に必要なインフラやエネルギーへの投資などチャイナマネーなくして同国の発展はありません。

またエチオピアは中国の「一帯一路」政策の要衝とも言われ、過去には対中債務の利子を帳消しにしたなど蜜月ぶりが際立っていました。

そんなエチオピアの元保健相が現在のWHOの事務局長テドロス・アダノムです。

テドロス氏がWHOの事務局長に立候補したときも中国から多大なるバックアップがあったと言われています。

WHO
WHO(World Health Organization・世界保健機関)とは、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で1948年に設立。毎年、世界保健総会が開かれ194カ国が参加。本部はスイスのジュネーブにあり。

中国 国家安全法 採択

1997年 イギリスは「一国二制度」の下に香港を中国へ返還することに合意。返還から50年は香港の高度な自治を約束していました。

その期間を待たずに、しかも各国が新型コロナウイルスの対応に追われている中、2020年5月28日 中国は「香港国家安全法」を採択しました。

これは中国政府が香港へ直接介入することを意味し、「一国二制度」から「一国一制度」へ置き換えたことになります。

これに対して国際社会からは懸念の声が続出、日本においては「国際社会や香港市民が強く懸念する中で議決がなされたことを深く憂慮している」と表明。

またイギリスでは、「香港の高度な自治と自由を保障した中国との共同宣言に違反する」と表明し、また「英市民権を獲得する道を開く方針」がある考えを明らかにしました。

NOTE
日本の表明は国家安全法に対して懸念を示しつつも、どこか中国に配慮したような言い方ですね。

米中の対立


特にアメリカは中国を強く批判。5月29日には香港への貿易や渡航における優遇措置を停止する方針を発表、またトランプ大統領は、同日の演説の中で「中国が支配しているWHOとの関係を打ち切る」と発表。

アメリカはWHOの最大の拠出国で年間4億ドル以上を拠出しています。この資金を停止し、別の方法で感染症対策への予算の支出は続けるとしています。WHOに変わる新組織を作る可能性もあり台湾はそれを支持。

一方EUでは、世界が協力して世界が協力して新型コロナウイルスの脅威に立ち向かう必要があるとして、アメリカにWHO脱退を考え直すよう求めています。

NOTE
トランプ大統領がほんとうに新組織を立ち上げ台湾も参加するなら、日本はWHOと新組織のどちらにも席を置くことになると思います。拠出金はどちらの組織への支払うことになる?

WHOへの支配を強める中国

中国は今後2年間で20億ドルを拠出する方針を明らかにしました。これはアメリカが拠出停止する額を穴埋めしてもお釣りがくる金額となります。

今後の行方

  • 中国はWHOの支配をさらに強める
  • アメリカ新組織を立ち上げ、台湾が参加する可能性あり
  • EUは現在の国際協調を優先するか?
  • トランプ大統領は次の大統領選へ向け中国叩きを加速させる
  • 米大統領選の行方で今後の対中政策は大きく変わる