2012年12月から続いていた景気上昇期間が2018年10月についに終了。
期間にして71ヶ月。戦後最長の「いざなみ景気(73ヶ月)」に2ヶ月及びませんでした。
2020年現在は景気後退局面となっています。
本記事では、戦後から現在までの日本経済の流れをシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。
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戦後から現在までの大きな流れ
◇ 2000年代に入り、2002年からのいざなみ景気は戦後最長の景気拡大局面となりましたが、リーマンショックにより経済は停滞。
◇ 2012年12月からはアベノミクスによる緩やかな景気拡大が2018年10月まで続きました。
◇ 2020年現在は景気の下降局面となっています。
高度経済成長 1955年ー1973年
1955年ー1973年は高度経済成長期と言われ、この期間の平均成長率は約9%と日本経済は飛躍的な経済成長を遂げました。
神武景気 1955年ー1957年
日本初代の天皇とされる神武天皇が即位した年(紀元前660年)以来、例を見ない好景気という意味で名づけられました。神武景気は朝鮮戦争による朝鮮特需が背景にあります。「三種の神器」と言われた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の普及が本格的に始まった時期でもあります。
岩戸景気 1958年ー1961年
景気の長さにおいて、またその大きさにおいて神武景気をしのぐ好景気となりました。天照大神の天の岩戸神話にちなみ命名されました。岩戸景気は、重化学工業の活発な技術革新など「投資が投資を呼ぶ」といった経済の好循環が背景にあります。
産業面の変化をみると、繊維産業や石炭、海運産業等の比重が低下する反面、電気機械・精密機械・自動車などの機械産業、あるいは鉄鋼・化学・石油精製等の装置産業が発展し、産業の高度化が進みました。
所得倍増計画 1960年
所得倍増計画は、1960年に池田内閣の下で策定された長期経済計画です。10年間で国民総所得を倍増させ、西欧諸国並の生活水準と雇用の実現を目指しました。
いざなぎ景気 1965年ー1970年
いざなぎ景気は、これまでの神武景気、岩戸景気をしのぐ好景気となりました。由来はこれまでと同様に日本神話からとなり、天照大神の父神で日本列島をつくったとされる「いざなぎのみこと」から命名されました。いざなぎ景気は、1964年に開催された東京オリンピックによる特需や、1970年に開催された大阪万博による特需などが背景にあります。また、1968年には日本のGDPがドイツを抜き世界第2位の経済大国となりました。
高度経済成長期の終焉
1973年には、1ドル=360円の固定相場制から変動相場制へ移行。中東戦争を機に原油価格が大幅に引き上げられたことによるオイルショックなど日本経済に成長モデルの転換を迫りました。
日本経済は戦後初めてマイナス成長になり、また1979年の第2次オイルショックの発生、世界的不況の影響もあり日本経済は低成長時代へ移行します。
バブル期 1986年〜1991年
土地や株式の資産価値の上昇とそれに伴う好景気が訪れました。この資産価値の上昇は株式からはじまり1989年には日経平均株価は38,915円まで上昇、これは1985年の約3倍になります。そして土地の価格は1989年には1985年比で4倍にまで上昇しました。しかしそのような状況が未来永劫続くわけはなく、資産価値の大幅な下落がはじまりバブルはあっけなく崩壊。
失われた10年 1993年ー2002年
バブル崩壊後の1990年代前半から2000年代前半までの経済低迷期間は「失われた10年」とよばれました。
いざなみ景気 2003年ー2009年
長引く不況から脱却し、緩やかながらも長さの点においてはいざなぎ景気を抜き戦後最長を記録しました。日本神話に記されたいざなぎ・いざなみによる国産みの伝説にちなんで「いざなみ景気」とも呼ばています。
好景気期間は長いものの成長率は2%前後と伸び悩み、景気回復実感に乏しかった時期でもあります。
リーマンショック 2008年
アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことに端を発し世界規模の金融危機が発生しました。日本経済へも大きく影響を及ぼし、円高は87円まで進み、日経平均株価は7,000円まで暴落。また2011年の東日本大震災など、日本経済は大打撃を受けました。
アベノミクス 2012年ー2020年
その後、持ち直した日本経済は2012年からのアベノミクス景気により景気拡大が続きました。実質GDP成長率はギリギリではありますが常にプラス成長を記録しています。
「景気の山」は2018年10月に認定、2020年現在は景気の下降局面入りとなっています。