【解説】ATMからコンビニまで!顔認証システムの時代が到来

2017年Apple iPhoneXに搭載されたことで、一気に市民権を得た顔認証システム。

これまでのパスコードや指紋認証などに変わりスマートフォンのロック解除に使用している人も多いのではないでしょうか?顔認証ではスマートフォンを持つだけで端末側が自動的に認証を行い、ロック解除してくれるとても便利なシステムです。

今回は、私たちの生活に馴染んできた顔認証システムについてシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。



顔認証システム世界1位のNEC

顔認証システムと言えばNECです。

高い精度とスピードで評価され、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した最新の顔認証技術のベンチマークテスト(FRVT2018)において、トップレベルの性能を誇っています。


(図;NEC)
上のグラフのようにNECの顔認証技術はエラー率0.5%とダントツの性能です。現在NECではこの顔認証技術を店舗での決済や鉄道、空港、市役所、病院などの施設などへ適用することで生体認証の利便性の向上に努めています。


(図;NEC)
空港などをよく利用する人はすでに自分の顔を登録していると思います。私も仕事で海外などへ行く時は、空港の出国ゲートの顔認証を利用しています。初めて使った時は最新技術に対する驚きと、もし認証してくれなかったらという多少の不安もありながら通ったのを覚えています。今では待ち時間もなくスムーズに出国手続きができるのが魅力で、高い利便性を感じるようになりました。

ATMでは顔パスで!


社会システムがAI・IoT活用へと進む中、セブン銀行は顔認証技術を採用した次世代ATM「ATM+」を発表しました。

これもNECの顔認証技術によるものです。2019年9月より現在のATMを順次新型ATMへ入れ替え、2024年までには全国での入れ替えを終える計画です。

このATM+では入出金だけでなく口座開設も可能。顔認証機能と本人確認書類の読み取りによって行われます。

セブンイレブンでの実初試験を開始


コンビニで顔認証を利用して買い物ができるようになります。

2018年12月よりNECグループ社員向け行って来た実証実験の次のステップとして、2020年3月にセブンイレブン社員を対象にした顔認証決済を試験導入しました。これはセブンイレブン実店舗での実証試験となります。

顔認証決済を一般顧客へと展開したことでさらなる利便性・セキュリティの向上を目指すとしています。



中国で進む顔認証決済

中国は日本よりも電子決済システムが進んでいる。

日本でも最近になってようやくPaypayやLINE Payなどが話題になってきていますが、実際に使っている人は少数です。店舗側でも電子決済について戸惑う店もまだまだ多いです。

それに対して、中国は数年前から支払いはスマートフォンというのが一般的です。「WeChatPay」「ALIPAY(アリペイ)」が2大プラットフォーム。これらのQRコードを利用した決済を見ることは日常の光景となっています。これはデパートやコンビニだけでなく、個人店や屋外に出ている露店さえもスマートフォンを使ったQRキャッシュレス決済システムを採用。割り勘のときなどもアプリを介して送金するのが当たり前です。

中国はQRキャッシュレス決済からさらに進み、顔認証技術を採用した決済システムの導入を進めています。地下鉄では顔認証で自動改札を通過できるようになり、ケンタッキーフライドチキンでも早くから顔認証技術を採用。コンビニエンスストアでは顔認証システム導入店が1000店舗を超え、利用者はすでに1億人を突破しました。

これから日本ではQRキャッシュレス決済が盛り上がろうとしている中、中国ではもうすでにスマートフォンを使った決済は一世代前のシステムになろうとしています。スマートフォンを持たず、手ぶらで買い物へ行って顔パスで商品を購入するのが当たり前になる時代はもうそこまできています。

欧米では規制の動きも!?

積極的に導入を進めている中国とは反対に欧米では慎重な姿勢が見られています。欧州連合(EU)では、顔認証技術の無差別使用を規制する方法を検討しています。

市民には自分の顔認証データがいつどのように使用されているかを知る権利が必要であり、個人を適切に保護する規則が必要だと述べています。またアメリカでもカリフォルニアなど一部の州では顔認証技術の規制が行なわれています。

顔の認証技術の誤用や濫用、場合によっては生命を危険にさらすものまで多くの報告があり、個人の権利が尊重される国においてどのようにテクノロジーと共存していくかを模索している状況です。

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