E-ink 電子ペーパー 白黒からフルカラー化への道のり

もうかれこれ10年ほど前です。電子ペーパーをリリースしたE inkは、白黒モデルに続いてカラー化の構想を発表。すぐにでもカラー電子ペーパーが実現するのではないかと、そう思っていました。

しかし時が経ってもそういった類の製品は発売されず。。もしかしてE inkは技術的なブレイクスルーを得ることができなかったのか?もうカラー電子ペーパーを使うことはできないのか?何度も諦めかけていました。

少しの望みだったのはCESをはじめとした展示会では、ゆっくりとではありますがカラー電子ペーパーの進化を見て取ることができたこと。動きはもっさりとしていましたが、この技術でアマゾンのKindleがフルカラーされるかもしれません。期待値は上がるばかりです。

今回は、そんなE-ink カラーディスプレイ発売までの流れをシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。



E-ink カラーディスプレイ発売までの流れ 2010年


2010年 カラー電子ペーパー E Ink Tritonが発表されました。

白黒のマイクロカプセルの上に赤・緑・青・白のカラーフィルターを設置。紙のような読みやすさ、省消費電力、高い視認性、バッテリーは1回の充電で1ヶ月使用可能などの特徴をもつカラーディスプレイです。当時は、発表後すぐにでも製品化するような勢いがあり、実際にカラーE inkを搭載したデバイスの発売予定価格を発表しているメーカーもあったほどです。

同社曰く「E Ink Tritonは、印刷紙のエクスペリエンスを模倣するカラー電子ペーパーディスプレイが求める市場ニーズに応えるものだ」と述べ、製品化を目指していたが、諸問題により発売には至っていません。

2013年


色合いと明るさを改善した第二世代のカラーディスプレイ E Ink Triton2を発表。

Triton1は正方形の赤・緑・青・白のカラーフィルターを利用していましたが、Triton 2では長方形グリッドを利用。16階調、4096色を表示できます。新技術を採用したことで前世代より高コントラスト、高品質のカラーディスプレイを実現しました。

2015年


可変色電子ペーパー E Ink Prism発表。インテリアや建築、アートの用途として開発。

静的だった建築物の壁面や芸術作品に流動性を持たせ、カラーパターンをダイナミックに表現させることが可能。

2016年


これまでのカラーフィルターを使ったカラー化ではなく、色のついた粒子によってフルカラー表示をするアドバンスドカラー電子ペーパーディスプレイ(ACep)を発表。

マイクロカップ内の粒子を電気泳動制御で移動させることでフルカラーの表示、これまでより鮮やかな色を表示できるようになりました。展示品は20inch、解像度は1600x 2500(150ppi)となる。デジタルサイネージ向け。

2020年


CES2020にて中国・ハイセンスが E Ink社製のカラー電子ペーパーをディスプレイに搭載したスマートフォンを発表。

約4000色を表示でき、画面の移り変わりも実用レベルとなっています。バッテリーは通常のスマホより遥かに長く持ち、4日間のバッテリーライフを誇ります。

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