景気動向指数とは?ほんとに現状を表している?指数の見直しがついに始まった?

2018年10月を「景気の山」として、現在は景気後退局面に入った!!

こんなニュースが大々的に報じられましたが、そもそもこの「景気」というのは何をもって語られるのでしょうか?



これまでの日本の景気

戦後から現在までの景気の大きな流れは以下のようになっています。

◇ 60年代、70年代と続いた高度成長による大幅な景気上昇、80年代のバブル期、その後の停滞期と続きました。

◇ 2000年代に入り、2002年からのいざなみ景気は戦後最長の景気拡大局面となりましたが、リーマンショックにより経済は停滞。

◇ 2012年12月からはアベノミクスによる緩やかな景気拡大が2018年10月まで続きました。

◇ 2020年現在は景気の景気後退局面となっています。


過去の日経平均株価は、

1950年の176円からはじまり高度経済成長とともに株価は大幅に上昇。1989年12月には過去最高の38,915円を記録。

その後は80年代バブル崩壊、2000年代に入りITバブル崩壊、リーマンショックなどの経済的なダメージを負いながらも2013年よりアベノミクス によって株価は上昇。

現在、コロナショックにより一時的に株価は急落しましたが、金融緩和の影響もあり急速にコロナ前の水準に株価を戻す動きがでています。

このように日経平均株価でも景気を測ることができますが、一般的に「株価は景気の先行指標」と言われています。将来の業績や景気を織り込んでいたりするので、必ずしもその時々の景気を表しているとは言えません。

内閣府が発表する景気は「景気動向指数」が用いられています。

景気動向指数とは

景気動向指数は、現在や将来の景気予測に使用される経済指標です。

景気がどれくらい上向いているのか、下向いているのかが毎月内閣府より発表されます。

CIとDI

景気動向指数にはCI(composite indexesコンポジット・インデックス)、DI(diffusion indexes:ディフュージョン・インデックス)があります。

Compositeは「複合・合成」、Diffusionは「普及・広まり」などの意味があります。

内閣府によると

◇ CIは構成する指標の動きを合成することで景気変動の大きさやテンポ(量感)を表す

◇ DIは構成する指標のうち、改善している指標の割合を算出することで景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定

と記載されています。これを分かりやすくいうと、

景気が上向いているか、下向いているかを判定するのがDI

それがどれくらいなのか?変化の大きさを捉えるのがCI

となります。

CIは構成する指標の動きを合成することで景気がどれくらい変化しているか、2015年を100として現在の景気を表しています。

DIは、50%を上回っているときは景気拡大、50%を下回っているときは景気が後退していると判断します。

3つの指標

景気動向指数には、先行指数、一致指数、遅行指数の3つの指数に区分されます。

◇ 先行指数:景気を先行して動く指数。新規求人数や株価指数などによって算出されます。

◇ 一致指数:現在の景気に連動する指数。景気の転換点を認定する判断材料。鉱工業生産指数、有効求人倍率などによって算出されます。

◇ 遅行指数:景気に遅れて動く指数。家計消費支出や法人税収入などによって算出されます。

CI 一致指数


景気の転換点にも使用されるCI一致指数は、2015年を100として表しています。

2018年10月に景気の山があり、その後は後退局面に入っていることがわかります。また2020年4月新型コロナの感染拡大によって大きく下落しています。

採用系列の見直しが始まる

景気動向指数は、景気を判断する重要な指数とされながらも、兼ねてからこの指数を疑問視する声は多数ありました。

「製造業が経済を牽引し、高度成長期のような大幅な上昇がある時代には有効だったこの指数も現在の産業構造において客観的な指標となっているのかどうか、新しい考え方が必要ではないか?」という議論が行われています。

現在採用されている系列は以下のようになっています。

先行系列
1.最終需要財在庫率指数(逆サイクル)
2.鉱工業用生産財在庫率指数(逆サイクル)
3.新規求人数(除学卒)
4.実質機械受注(製造業)
5.新設住宅着工床面積
6.消費者態度指数
7.日経商品指数(42種総合)
8.マネーストック(M2)(前年同月比)
9.東証株価指数
10.投資環境指数(製造業)
11.中小企業売上げ見通しDI
一致系列
1.生産指数(鉱工業)
2.鉱工業用生産財出荷指数
3.耐久消費財出荷指数
4.所定外労働時間指数(調査産業計)
5.投資財出荷指数(除輸送機械)
6.商業販売額(小売業、前年同月比)
7.商業販売額(卸売業、前年同月比)
8.営業利益(全産業)
9.有効求人倍率(除学卒)
10.輸出数量指数
遅行系列
1.第3次産業活動指数(対事業所サービス業)
2.常用雇用指数(調査産業計、前年同月比)
3.実質法人企業設備投資(全産業)
4.家計消費支出(勤労者世帯、名目、前年同月比)
5.法人税収入
6.完全失業率(逆サイクル)
7.きまって支給する給与(製造業、名目)
8.消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、前年同月比)
9.最終需要財在庫指数