どれが本当?自己資本比率の計算に用いるのは 自己資本、株主資本、それとも純資産?

企業の安全性を測る指標と言われている自己資本比率。自己資本比率が高いと借金に頼らない事業運営ができるため、健全な企業活動を行うことができると言われています。

今回は、自己資本比率についてシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。

自己資本比率とは


自己資本比率とは、総資本のうち自己資本が全体の何%あるかを示す指標です。

総資本が100あったとして、そのうち株主から40のお金を集めて、残りの60は銀行から借りたとします。この場合の自己資本比率は40%です。

仮に自己資本比率が100%だったとしたら、銀行からお金を借りることなく全て自分たちのお金で事業を運営している、いわゆる無借金経営と言うものです。

自己資本比率がそんな高い会社あるの?と思うかもしれませんが、計測制御機器大手・キーエンスの自己資本比率はなんと95%です!!日本が誇る超優良企業のひとつです。これだけ高いとちょっとやそっとじゃ会社は潰れません。

反対に自己資本比率が小さいほど、借入金などの他人資本の影響を受けやすく不安定な会社経営を行うことになります。

[box class=”box25″]【自己資本比率の計算式】
自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 x 100

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計算時に気をつけたいこと

自己資本比率は、総資本の中に自己資本がどれくらいあるかを示す指標です。

貸借対照表の総資産と部を見ながら計算するのですが、その中には純資産があったり、株主資本があったり少し混乱してしまいますよね。

大きな括りとしては、純資産の中に自己資本があり、自己資本の中に株主資本が入っています。

純資産・・・株主資本+自己資本+新株予約券、非支配株主持分
自己資本・・・株主資本+有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定
株主資本・・・資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式

(※2006年に会社法の改正があり、株主資本が純資産の中のひとつの項目として追加されました。)

基本的には、この中の自己資本と総資産を使用して計算しますが、実際には分子に自己資本を用いられたり、株主資本を用いられたりまちまちです。


経済産業省による令和元年中小企業実態基本調査では、全産業の自己資本比率の平均値が記載されていますが、計算式は純資産を総資本で割って計算してるようです。

会社四季報や証券会社が作成しているデータでも同じ会社なのに自己資本比率が若干異なっているのもこのためです。また会計基準によって異なっているケースもあります。

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