温室効果ガスを語るときにまず話題にあがるのが電力分野です。化石燃料をもとにした発電が非難される一方で、自然界に常に存在するエネルギーを使用した再生可能エネルギーに注目が集まります。もちろんそれは間違いではありません。
しかし、化石燃料を使用した発電に起因する全ての温室効果ガス排出量をゼロにしたとしても、全体の25%しか削減できません。
そう語るのは、元マイクロソフトCEOのビル・ゲイツです。
IT企業のCEOでありながら環境問題に積極的に取む姿勢で知られている人物です。
自身のブログで、気候変動に対応するため世界は5つの「重要課題」に集中して取り組む必要があると述べています。
今回はビル・ゲイツの主張をシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。
1.電力
温室効果ガス排出の25%を占めるのが電力分野です。
再生可能エネルギーが進んでいますが、この分野においてさらなる技術革新を行い、効率的な電力供給が必要だと述べています。
2.農業
温室効果ガス排出の24%を占めるのが農業分野です。
家畜は非常に大きな温室効果ガスの排出源となります。畜産業が排出するメタンガスや亜酸化窒素は環境への影響が非常に大きく、二酸化炭素の温暖化係数を1とした場合、メタンは21倍、亜酸化窒素は296倍の温室効果があると言われています。
家畜の餌を栽培するため森林伐採も大きな問題となっています。もし、牛共和国というものがあれば、それは世界で3番目に排出量が多い国になります。
3.製造
温室効果ガス排出の21%を占めるのが製造業です。
あなたのまわりのプラスチックや鉄、セメントは非常に多くの化石燃料から作られています。その過程の中で多量の温室効果ガスが排出されます。
4.交通
温室効果ガス排出の14%を占めるのが交通分野です。
温室効果ガス排出の少ない車は非常に良いが、まだまだ絶対数が少ないです。さらに飛行機や船舶、トラックなどでも排出削減に務めなければなりません。
5.ビルディング
温室効果ガス排出の7%を占めるのがビルディングです。
エアコンやヒーター、照明などはたくさんのエネルギーを使用します。それによって生み出される大量の温室効果ガスが問題となっています。さらに都市部の人口が増えてくる次の10年、この分野は特に重要になると言われています。
ゼロ・エミッションに向けて
車やエアコン、生活に欠かせないプラスチック製品など人々の生活の質をあげるものは沢山あります。それらは人々の生活を豊かにします。しかしそれと同時に私たちは気候変動のことを考えなければなりません。
ビル・ゲイツは技術革新は奇跡を起こすと語ります。
現在ゼロ・エミッションに向け、投資ファンドなどを通し温室効果ガス排出削減につながる技術への投資を続けています。