企業分析 ズーム ビデオ会議じゃない方のズームに求められる今後の動き

ズームの株価はストップ高!!年初来高値を更新!!

これに対してズーム社のWebサイトには、


「当社はビデオ会議サービスを運営する米国の「Zoom Video Communications, Inc」とは一切関係ありません。ご注意下さい。」

と掲載されていました。えっ???ビデオ会議のzoomと間違えたって???

意図的なのか、ほんとに勘違いしたのかは分かりませんが、ただひとつ言えるのは、

日本のズームも良い会社ですよ。

ズームとはどんな会社?

ズームは、日本の音響機器メーカーです。ハンディレコーダー、ギターとベース用のコンパクトエフェクター、オーディオ・インターフェース、マルチトラック・レコーダーなどを開発・販売するメーカーです。

設立は1983年、1990年代には楽器用のマルチエフェクターを販売開始、2000年代に入りマルチトラックレコーダーやハンディレコーダーをリリース。

ハンディレコーダーに関しては、現在のズームを牽引する事業にまでに育ちました。

2017年には、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。

競合となるヤマハやローランドと比べ規模は小さいですが、面白い製品を作っているメーカーです。


ギターエフェクターのヒット商品 MS-100BT、マルチエフェクターをこれだけコンパクトに仕上げ、さらにスマホから音色が追加できるという”ズームらしい革新性”を感じられる商品。生産終了となったいま、高値で取引されているようです。

ズームの事業

ズームの代表的な製品カテゴリは、ハンディレコーダー、マルチエフェクター、ハンディビデオレコーダー、マルチトラックレコーダー、オーディオインターフェース、プロフェッショナルフィールドレコーダーなど。

この中でもメインとなるのはハンディレコーダーです。全体の約半分がこのハンディレコーダーの売り上げによるものです。ビジネス用途というよりもクリエイター向け。ネット配信のツールとして使用されてきたことも、売り上げを伸ばしてきた要因ですね。


H1Nは低価格ながらにして、本格的なXYステレオマイクを搭載、プロレベルの音質を得られるとして人気。ズームのロングセラー商品となっています。

財務データ


2019年12月期では売上は増収ながらも、営業利益率は5.2%から3.4%へ低下。システム投資や事務所の拡張等による費用の増加が利益を圧迫しているとされ、現在はこれらの改善に取り組んでいるとのこと。


自己資本比率は、61.9%と安定した財務基盤であることが分かります。

1株当たり純資産 2128.57円
1株当たり当期純利益 109.26円

株価推移


ズームがジャスダックへ上場したのは2017年です。2017年末から2018年にかけて3000円を超える値段をつけましたが、その後は1200から2000円間で推移。

新型コロナの影響により一時は三桁台まで下落しますが、4月には1499円まで回復。比較的にはやい段階でコロナ前の水準に戻っています。

2020年6月にはビデオ会議のzoom社と間違われストップ高を記録しました。

経営状況


ズームは日本国内よりも海外で認知されているメーカーです。北米と南ヨーロッパで売上高の50%以上を占めています。

販売は、北米地域ではZOOM North America、英国ではZOOM UK、南ヨーロッパ地域ではMogar Musicなどの子会社・関連会社が地域に応じた柔軟な販売体制を構築。


売上高の構成比は、ハンディレコーダーが47%

次いでマルチエフェクター12%、デジタルミキサー・マルチトラックレコーダー8%、フィールドレコーダー7%、ハンディビデオレコーダー5%となっています。

ズームに求められる今後の動き

  • 主力商品の後継機種の開発
  • VR関連技術を導入し、商品ラインナップを拡充
  • ターゲットを楽器を演奏するアーティストから映像や放送分野等のクリエーターへ拡大

おまけ

ズームの商品開発5カ条のひとつ

『世界初の「何か」を実現する』

機能、性能、価格、デザイン等、何らかの世界初の要素を取り入れるということです。

ズームの製品が面白いと思うのはこういった企業文化の現れなのかもしれません。

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