【解説】銀ナノワイヤー AgNW、SNW

これまでタッチパネル等に使用されるの電極には高い透明性・導電性を持つITO(Indium Tin Oxide)フィルムが一般的に使われてきました。

しかし、ITOに仕様されるインジウム(indium 原子番号49)はレアメタルに分類され世界的にも埋蔵量が限られています。資源枯渇の可能性もあります。

また、一般的にITOは真空状態で処理することが多く、設備コストが高く大掛かりなものになると言われています。

このような背景のなか、新たな導電材料として銀ナノワイヤー(AgNW)が注目されはじめました。

今回は、銀ナノワイヤーについてシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。



銀ナノワイヤー(AgNW)とは?

銀ナノワイヤーは、電気を通すことからITO代替導電膜材料として使用されAgNW(Ag Nano Wire)やSNW(Silver Nano Wire)とも呼ばれています。

ナノワイヤーという名称通り、非常に微小な糸くずのような形状をしており、直径数nm〜数十nm、長さは数十nmから長いものでは数十μmまで様々。
(nmは10億分の1メートル、μmは100万分の1メートルを表す単位です)

銀ナノワイヤー(AgNW)の特徴は?

高い透明性の実現、優れた屈曲性、低抵抗の実現、大型化への対応などが透明電導膜に求められる機能を有します。

光の透過率が高いため視認性に優れ、スマートフォンなどの高精細ディスプレイに最適です。折り曲げに強く、フレキシブルな形状に対応。表面抵抗はITOの約半分の数十Ωsqを実現。
また、ITOと異なり、ウェットエッチングやウェットコーティングなどフォトリソ工程による量産が可能であり、ITOに比べ低コストが実現できます。

銀ナノワイヤー(AgNW)の用途は?どんなところで使われる?

タッチスクリーン、OLEDディスプレイ、OLED照明、電子ペーパー、薄膜太陽電池、化合物半導体など様々な分野で導電膜材料として使用されます。

どのようなメーカーが作っている?

銀ナノワイヤー(AgNW)を供給しているリーディングカンパニーは、カンブリオス・アドバンスド・マテリアル社(本社:米国カリフォルニア州サニーベール市)です。

2005年にAgNw製品を発表、その後は業界リーダーとしての地位を保ち続けています。

カンブリオス社の銀ナノワイヤー製品 クリアオーム(Clear Ohm)
同社製品であるクリアオーム塗布型材料は、ウェットプロセスによって透明導電膜を作ります。クリアオーム膜は、現在利用されている酸化インジウムスズなどの材料と比べ、はるかに優れた光学的・電気的性能を備えています。