太陽電池に使用される半導体材料・シリコンは製造方法によって『単結晶シリコン』と『多結晶シリコン』に分かれます。
それぞれに特徴があり、製品によって使い分けられています。
今回は『単結晶シリコン』と『多結晶シリコン』の違いについて分かりやすく解説したいと思います。
結晶シリコン太陽電池
(図:産総研)
太陽電池には、さまざまな方式があり大別すると
『シリコン系』『化合物系』『有機系』に分けられます。
今回取り上げるのは、この中でもシリコン系太陽電池に分類されているものです。
結晶構造
(図:LONGI SOLAR)
結晶シリコンは、単結晶と多結晶に分けられます。
これらは結晶構造が異なり、
単結晶シリコンは、インゴット(シリコンを溶かしてでき上がった塊)から作られるため、シリコン原子が規則的に並んでいます。
多結晶シリコンは、不良となったインゴットや、単結晶シリコンを作る際にできたシリコン粒などを利用し作られるため、原子配列が規則正しく並んでいないものを言います。
単結晶シリコン・多結晶シリコンの違い
単結晶は、純度が高いシリコンのため製造コストが高い反面、高い変換効率を示しています。
多結晶は、低コストで製造できますが、発電効率は単結晶に劣ります。
単結晶シリコンと多結晶シリコンで作った太陽光発電パネルは見た目も異なります。
単結晶は真っ黒で均一な色になっているのに対して、多結晶は特徴的なマダラ模様があり、色は青っぽくなっています。
単結晶シリコン・多結晶シリコンのシェア
2018年の太陽電池モジュール生産量の種類別比率では、
単結晶シリコンは、46.5%
多結晶 シリコンは、50.4%
2019年には「単結晶シリコン型」の太陽電池の出荷量が初めて「多結晶シリコン」を抜いたと発表されました。