株式市場の「不安」を測る指数。その名も「恐怖指数(VIX指数)」
名前からして良くない数値なのだなと分かりますが、その数値が何を表しているのか投資初心者にとっては分かりにくい部分もありますよね。今回はこの恐怖指数(VIX指数)について分かりやすく解説したいと思います。
コンテンツ
恐怖指数(VIX指数)とは
恐怖指数(VIX指数)の説明でよくあるのがこのようなものです。
恐怖指数の説明になっているものの、、、分かりにくいですよね。オプションから算出って何?そもそもボラティリティの単語の意味は???みたいになりますよね。
分かりやすく言うと、
恐怖指数は、S&P500の将来の値動きの激しさを表した数値となります。
恐怖指数が高いと将来大きな価格変動が予想され、恐怖指数が低いと将来の価格変動は安定していると予測されるものです。
S&P500
S&Pダウジョーンズ・インデックス社が選定する500銘柄の時価総額を指数化したものです。流動性のある大型株が選ばれています。構成銘柄はアメリカ株式市場の時価総額の8割をカバー、アメリカ市場全体を代表する指数です。
オプション
「オプション取引」というのは、「ある金融商品を決められた日に、決められた価格で買う(売る)権利」を売買するものです。買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」と言います
コールとプット、どちらが買う?売る?だったけ???ってなりやすいので、口の形で覚えるのが良いですよ。「プットは、プーーーー売る!!」みたいにw
ボラティリティ
Volatilityを辞書で引くと、
株:乱高下
経済:予想変動率
などの言葉が出てきます。金融用語として使う場合は、ボラティリティが高まると市場が不安定になり株価が乱高下しやすくなります。言い換えると、人々が市場に対して不安や恐怖を抱いていることを意味します。
恐怖指数(VIX指数)の適正値は?
市場が安定している時の恐怖指数は10〜20の間で推移することが多いです。
市場が不安定になってくるとこの恐怖指数の値が大きくなり30を超えてくると警戒領域、40〜50が暴落レベルとなります。
恐怖指数(VIX指数)の推移
(図:JPモルガン)
過去の恐怖指数(VIX指数)は、2008年 世界金融危機や2020年 新型コロナでは80を超えました。
この他、アメリカ同時多発テロ、ギリシャ通貨危機、中国経済失速懸念などでも40を超える数値を記録しています。
[過去の主要な高値]
1990年8月23日 イラク軍クウェート侵攻…36.47
1997年10月28日 アジア通貨危機…48.64
1998年10月8日 ロシアデフォルト(LTCM破綻)…49.53
2001年9月21日 アメリカ同時多発テロ…49.35
2002年7月24日 エンロン不正会計事件…48.46
2002年8月5日 ワールドコム破綻…45.21
2003年3月12日 イラク戦争勃発…34.40
2008年9月18日 リーマン・ブラザーズ破綻…42.16
2008年10月24日 世界金融危機…89.53(1993年以降の最高値)
2010年5月21日 ギリシャを筆頭とするPIIGSの国債懸念…48.20
2011年8月9日 S&Pが米国債を格下げ…47.56
2011年10月4日 ギリシャ国債のデフォルト危機…46.88
2015年8月24日 中国経済失速懸念…53.29
2018年2月6日 米雇用統計での賃金上昇をきっかけとした長期金利上昇、VIXショック「変動幅は過去最大規模」…50.30
2020年3月18日 新型コロナウイルスによるパンデミック …85.47
(wikipediaより)
恐怖指数(VIX指数)の動き
市場が暴落した時や先行きに不安が生じたときに数値が上昇。S&P500と反対方向に動きます。
恐怖指数(VIX指数)から予想変動範囲がわかる
恐怖指数(VIX指数)は今後30日間の変動率を予測する指標として使用されています。
恐怖指数(VIX指数)が10なら、今後30日間のS&P500の予想範囲は±2.9%
恐怖指数(VIX指数)が20なら±4.3%、30なら±8.7%です。
これはプラスマイナスなので、値上がりするか値下がりするかは分かりません。あくまでも現在の価格からの変動を表しています。