次世代技術「5G」を分かりやすく解説

大手3キャリアによっていよいよ開始された5G、対応端末も続々と発売されています。5Gは一般消費者向けにも、産業向けにも大きな変革をもたらすと言われています。

ですが、5Gになって何ができるのか?どのような社会になっていくのかが具体的にイメージできていない人も多いと思います。

今回は、今後5Gがどのように利用されていくのかをシンプルかつ分かりやすく解説したいと思います。



5Gとは


5Gとは、「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」と言う3つの特長を持つ次世代の移動通信システムです。これらが私たちのライフスタイルを大きく変えることになります。

第一次産業革命では、軽工業から重工業へと移り変わり、工場の機械化が始まりました。
第二次産業革命では、 電気を用いた産業が発達。大量生産を実現させました。
第三次産業革命では、 コンピュータを利用した自動化が始まりました。

そして、5Gは経済の変わり目となる次の革命「第四次産業革命」になると言われています。

[5Gでできること]
通信速度が4Gより100倍速くなると言われ、2時間の映画のダウンロードに4Gだと5分かかっていたのが5Gだと3秒でできるようになります。この「超高速・大容量」は非常に分かりやすい5Gの大きな特徴ですが、5Gでできることはこれだけではありません。「超低遅延」、「多数同時接続」と言ったものが5Gにおいて非常に大きな役割を持ちます。

1Gから5Gまでの流れ


(図:総務省)
これまで1Gから5Gまではほぼ10年単位で切り替わってきました。

1G : 1980年代 音声を電波信号に変換したアナログ方式。
2G : 1990年代、データを0と1のデジタル信号に変換したデジタル方式。データのやり取りが容易となり、携帯端末は音声だけでなくメールなどのデータ通信をするためものとなりました。iモードやezwebは2G。
3G : 2000年代 フィーチャーフォンが主流だった中、iPhone3Gが発売(2008年)。スマートフォン普及のきっかけとなり、テキストだけでなく写真を送ったり、ブラウザでインターネットへ接続するのが一般となりました。
4G : 2012年サービスを展開。動画配信サービスやモバイルゲームなど大容量コンテンツが普及。

5Gの特徴


5Gは、下り速度は20Gbps、上がりは10Gbps、遅延は1ms。ひとつの基地局に1万台接続できる(4Gでは100台)特徴を持ちます。

超高速: 最高伝送速度 10Gbps (現行LTEの100倍)
超低遅延: 1ミリ秒程度の遅延 (現行LTEの1/10)
多数同時接続: 100万台/km2の接続機器数 (現行LTEの100倍)

エッジコンピューティング


(図:au)
5Gの特徴の超遅延はエッジコンピューティング技術によってもたらされます。これまでクラウドで行なっていた処理をユーザーに近いところに置かれたサーバーで処理をすると言うものです。

例えば、インターネットの先にあるクラウドでデータ処理をする場合、ユーザー端末からのデータはインターネットを通り、クラウドが置かれているサーバーまで通信する必要があります。物理的な距離がある場合は、トラフィックが混み合えば通信速度の劣化にも繋がってきます。このように従来から行われているクラウド処理では超低遅延を実現することはできませんでした。

エッジコンピューティングでは、ユーザーの近くに処理サーバーを置きそこでデータ処理を実施することで遅延の少ない応答が可能となりました。ユーザー端末と処理サーバーが近いところにあるため、トラフィックによる通信の遅れなどは発生しにくくなっています。

ただし、エッジコンピューティングは利用者の近くに処理サーバーを大量に設置する必要があり、まずはスポーツやエンタメ領域など限られた領域での活用が予想されます。



5Gの通信帯域


(図:総務省)
5Gに割り当てられる周波数は、ミリ波とsub6に分けられます。

3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯があり、これらの周波数は、3.7GHz帯、4.5GHz帯が「sub6」(6GHz以下の周波数)と、28GHz帯が「ミリ波」と呼ばれています。

4Gの電波で最も高い周波数は3.5GHzなので5Gの電波がいかに高いかが分かります。

3.7GHz帯、4.5GHz帯: sub6 、FR1 (Frequency Range 1)
28GHz帯: ミリ波 、FR2 (Frequency Range 2)

5Gの事業モデル


(図:総務省)
4Gの事業モデルは通信事業者と利用者との関係で成り立っていましたが、5Gでは「B2B2X ( Business-to-Business-to-X )」になります。

B2B2Xとは、通信事業者と利用者の間にパートナー企業が入り、そのパートナー企業が具体的なサービスを作ることになることを意味します。

例えば、通信事業者SB社と提携しているAと言うパートナー企業がいたとします。

ある特定の地域xxx市xxx区xxx町にスマートシティを作り、認証技術を使った無人店舗をオープンしたり、多数のカメラによる防犯セキュリティを構築したり、車の自動運転エリアの設定などを作ると言ったことが可能となります。この時パートナー企業Aによってスマートシティ内に処理サーバーなどが置かれ、システムが運用されるというイメージです。5Gは、このパートナー企業によってあり方が大きく変わります。

5G時代の産業構造


これまでの4Gでは携帯電話/スマートフォンの利用を対象にしたサービスが一般でしたが、今後は携帯電話/スマートフォンの利用者だけでなく、各産業がその対象に加わります。

自動運転技術により個人の移動手段が変わり、物の作り方が変われば個人の働き方が変わり、社会システムが変われば防犯のあり方も変わる。スマホだけでなく、全てのものがインターネットにつながることが生活が大きく変わるのです。

5Gのある未来とは

子供の頃にみた未来の形、それが5Gによって実現されます。

実際に5Gのある未来では何ができるのでしょうか?総務省や各メーカーが発表しているイメージビデオを見てみましょう。

【イメージムービー】Connect future ~5Gでつながる世界~(3分ver)
VRデバイスではスポーツ中継がされ、車の窓には試合結果が表示される。
ドローンでの宅配は当たり前に。
ウェアラブル端末によって身体データを測定し、自宅にいながら診療を受けられるようになる。
入力はタッチでなく音声が主流になる。
認証システムの高度化により無人店舗の増加。
リアルタイム翻訳により言語の垣根がなくなる。
大容量動画のリアルタイム転送が可能に。
スターウォーズでみたホログラムが現実に。

これらはまだ5Gのほんの一部に過ぎません。5Gの持つ「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」の可能性はこれからどんどんと広がろうとしています。



日米韓 5G導入状況

2019年4月3日にアメリカ・ベライゾン、韓国通信各社が5Gサービスを開始しました。

この5Gサービス開始の発表の中でも、各国各社の思惑があり、当初ベライゾンは4月11日に発表を予定。一方、韓国勢は3月に発表を予定していましたが4月5日に後ろ倒しになりました。

そんな中急遽ベライゾンが4月3日に5Gの開始発表をすると言う情報を得た韓国勢は直ぐに予定を変更。その結果、ベライゾン、韓国勢はともに4月3日に5Gネットワークを一斉開始することになった経緯があります。

日本での5Gサービスの開始は2020年春を予定。それに先立ち2018年9月20日、NTTドコモが5Gのプレサービスを開始。全国主要都市において5Gサービスを体験できる環境を用意。場所はドコモショップや野球場、スタジアム、空港などでサービススポットが用意されました。

2020年3月 ついに日本でも5Gが開始

NTTドコモは、5G通信サービスを2020年3月25日(水)から提供開始。2020年3月末時点では全国150か所、500局でスタート。まずは大型の主要駅とスタジアム等からはじまり、順次エリアを拡大予定です。

ソフトバンクは、5G通信サービスを2020年3月27日(金)から提供開始。「5G基本料」の月額使用料が2年間無料になる「5G無料キャンペーン」により実質2年間は4Gの月額料金のまま利用可能となるサービスを展開。

5Gの市場規模

調査会社IHS Markitでは、グローバルマーケットにおいて2035年までに12兆3000億ドル、2200万人の雇用が創出されると試算しています。

海外では2018年に5G対応端末が発売、国内では2019年後半に5G対応端末が発売される予定。2023年時点では、世界全体の28.2%が5G対応端末になると予測。2025年以降には全体の半数以上が5G対応端末となると予測しています。

このため、国内では2020年3月に5Gが開始されても一気に普及する訳ではなく、当初は緩やかに伸びていき2025年あたりが普及期に当たると予測されています。

5Gにおけるフェイズ

半導体メーカークアルコムのCEO スティーブン・モレンコフは「5Gはグローバルマーケットにおいて2035年までに12兆3000億ドルの経済価値になる」と予想しています。又その大部分は携帯電話関連以外になるとコメントしています。

今はまだ始まりにすぎません。これから5Gが浸透し、新たな社会が生まれようとしています。

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